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長井短さんの、忘れられないギフトの思い出って? 《教えて教えて! みんなのギフト事情》

INTERVIEW

長井短さんの、忘れられないギフトの思い出って? 《教えて教えて! みんなのギフト事情》

Editer:オノマエ

今年もあともう少し。クリスマスに仕事納め、大掃除…と慌ただしい12月ですが、ギフトについて考えることも多い月だったのではないでしょうか?

dōzo mag.の連載『教えて教えて! みんなのギフト事情 』も第3回となりました。今回は俳優・モデル、さらに文筆業と幅広く活躍中の長井 短さんが登場🎉

ちょっと大変だったギフトの思い出から、念願だったというクリスマス会の話まで。プライベートな話をたくさん聞いちゃいました!

長井 短 Mijika Nagai

俳優、モデル、執筆業と幅広く活躍。近年の主な出演作は、舞台『ヴェニスの商人』、ドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒にされた』、映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』『PERFECT DAYS』など。また小説集『ほどける骨折り球子』他、自著や連載も多数執筆。

思ってることをちゃんと伝えられる夫婦関係


——まず、ちょっとギフトとは関係ない話から始めたいんですけどいいですか? 夫で俳優の亀島一徳さんと、noteで公開してる交換ノート。あれがとても素敵だなと思ってて。


ありがとうございます。公開しないほうがいいんじゃない?って心配してくれる人もいたんですけど、「何を心配してるの? めちゃくちゃ公開しまーす!」って始めたのが最初でしたね。

なんというか、そんなにしっかり準備をせずに、けっこう勢いで結婚したんですけど。結婚ってそんなに大したことじゃないよっていう気軽さみたいなものが伝えられればなって。

↑ 交換ノート『亀島一徳と長井短』。お二人の仲睦まじいやりとりが最高なので、ぜひ読んでほしいです

——たしかに、お二人のおうちでの飾らない会話を覗いてるような感じがします。普段から会話は多いんですか?

多いですね。よくしゃべる方だと思います。話し合うの好きなので、お互いに。自分たちのこととか、いっしょにテレビ見てる時とか。

あと、いっしょに暮らしてて、体調とか調子が悪い時とかあるじゃないですか?そういう時にお互い、自分の状態を割とちゃんと言語化できるんですけど。「今 PMS で、口をきくとどっか行けよとか言っちゃいそうだから、ちょっとヘッドホンさせてね」みたいな。

それは交換ノートをやってきてたから、思ってることを言葉にして伝える癖みたいなのがついてるのかもな~っていうのが最近感じたことですね。

——それ本当に大事ですね!「察してよ」ばっかりだとお互い大変ですよね。それは言われないとわかんないよ!みたいなのもあるし。

「理に適うなよ! プレゼントなんだから!」って思っちゃう


——ご結婚から5年ほど経つかと思いますが、誕生日とかクリスマスとかはお互い何か贈りますか?

毎年プレゼント交換してますね。去年のクリスマスは…POLOの熊いるじゃないですか。かわいいな~って言ってたら、夫があの熊のタンブラーをくれて。それはずっと使ってますね。

——素敵!ふとした言葉を覚えててくれてるのって嬉しいですよね~。

嬉しかったです。で、私からはゴアテックスのズボンをあげました。彼が寒がりで、ズボンの下に絶対ヒートテックのタイツを履いてるくらいで。
あったかいズボンを探してたら、千駄ヶ谷の古着屋さんに、狩りをする時用のズボンみたいなのが売ってて。泥汚れとかも弾くし、森の中でもあったかい!みたいなやつで。

——それもすごくいいプレゼントですね!実用的で。

もともとわたしは、必要だなって感じるようなものをプレゼントでもらうのが好みじゃなくて。なんか、理に適うなよ!プレゼントなんだから!みたいな(笑)。そういう人間なんですね。

でも彼は逆に、必要じゃないものをもらっても、どうしたらいいかわからないから困るよって思う人で。付き合いたてくらいの時に、彼から体重計をプレゼントしてもらった時は、けっこうへこみました(笑)。最初は「ありがと~!体重計ないもんね、うち!」って一回喜んだんですけど、やっぱり、うーん…これじゃないんだよね…ってなって。結局伝えました。

——どんなものが嬉しいかって、けっこう人によって違いますよね…。
逆に短さんが、喜ばれないものを彼に贈っちゃったな~みたいな経験もあるんですか?

一回やっちゃいましたね。なんか、すっごいいっぱいポッケがついてるベストがあって。彼がカバンを持ちたくないってよく言ってて、これはもはや“着るかばん”だから完璧だろう!って思ったんですよ、私的には。でも、デザインが尖りすぎてて、こんな変わった服は着れないよって言われて。…いやー間違えました、はい。

そんな感じで、欲しいプレゼントのタイプがお互い違うから、最初のころは選ぶのも大変でした。「これじゃないんだよね」 「じゃあどんなのがいいの?」みたいに話し合ったりして。そこから、だんだんチューニングが合っていった感じでしたね。

——さっきの交換ノートの話にも繋がりますけど、ちゃんと言葉で伝えあうのって大事ですね、本当に。そのお話を聞くと、POLOのタンブラーもゴアテックスのズボンも、チューニングの成果ですね!

そうですね。ちゃんと言ってよかったです、最初の体重計もらった時に。誕生日のたびに、ただただ家電が増えていくなんてやっぱり嫌ですからね(笑)。

幼馴染からの忘れられないプレゼントと、念願のクリスマス会


——そんな短さんが、これは特に嬉しかった!っていうギフトの思い出はありますか?

21歳ぐらいのクリスマスの時期に、幼馴染の子と海外旅行でニューヨークに行ったんですね。幼馴染は当時ロンドンに留学していたので、現地集合で。

それで、二人とも子供の時から『ハリー・ポッター』が好きなんですけど、旅行に行く前に「 『ハリー・ポッター』で誰が一番好き?」って聞かれて。「オッケー、改めてね。うーん、ルーピン先生かな」って答えたんですよ、私。ほんと雑談みたいなかんじで。

そしたら、クリスマスの朝に、私が履いてたブーツに何か箱が入ってて。なんだろうと思ったら、ルーピン先生の杖が入ってたんです!あれはやばかったですね。いつの間に?いっしょに『ホーム・アローン』とか観ながら寝たはずなのに!って。それは結構忘れられないですね。

——それは最高のサンタクロース…!短さんが寝てる間にこっそり置いてくれたんだな~とか想像するとさらに嬉しいですね。その幼馴染の方とは今も会ったりするんですか?

会いますね。昨日も会いました。二人でも会うし、地元の仲いい7人くらいのグループでよく遊んでます。

——最高ですね!私はそういう何十年来の幼馴染っていないので、憧れます…!

その地元のグループで、泊まれる市民施設みたいなのを借りて、クリスマス会をしてたんですよ。あの、音楽に合わせてプレゼントをみんなで回していくっていうプレゼント交換もやって。それが忘れられなくて、またやりたいなと思ってたので、去年、友達とクリスマス会を開きました。一人1000円以内でなんか持ってきてねみたいな。

——ああ、いいですね。大人になってからのプレゼント交換!

最終的に30 人ぐらい集まってくれて。クリスマス会やるから、よかったら友達とか連れて来てね~みたいな感じで誘ってたら、地元の友達とか高校の友達とか、けっこうたくさん来てくれて。それで、みんなでチャッチャッてプレゼントまわして交換して。すごい楽しかった!

——30人ってすごいですね。本当に、学校のクラスでやるクリスマス会みたいな。めっちゃ楽しそう!ちなみに、どこでやったんですか?

大久保にあるネパール料理屋でやりました。お店の人も「日本人がここでやるのは初めてだけど、よくパーティーしてるから全然いいよ~」みたいな感じだったので。

——短さんは、プレゼントに何を持っていったんですか? 

私は、リサイクルショップで見つけた、サンタさんの頭からクリスマスツリーが生えてる置物を買いました。なんかこう、大きいものが良くて。プレゼント交換で回してる時に、これがいいなって思われてえ!みたいな。そう思いながらラッピングして。楽しかったです。

——そういうのもプレゼント交換ならではですね。そして短さんは何を受け取ったんですか?

私はカードゲームと、組み立てて遊ぶビーダマンみたいなやつでした。それを持ってきてくれた子に聞いたら、 1 回500円のミステリーボックスみたいな自販機、わかります? 何が出るかわかんないくじ引きみたいな。それが1回500円だったから、それを2回やって持ってきたって言われて。あーなるほどねって。うん、面白かった。

——プレゼント交換、かなり個性が出ますね(笑)!

いっしょに悩む覚悟でいますよ!と伝えたい


——最後になりますが、短さんが夏に出された小説集『ほどける骨折り球子』、すばらしかったです!  たとえばこの本を誰かに贈るとして、どんな人に読んでほしいですか?

うーん…男の人に読んでほしいなっていう気持ちが強いかもしれないですね。自分の“男性性”に対して、しんどそうだったり、どうしようって感じたりしている男の人を、自分のまわりで時々見かけたりするので。

——たしかに、男性の生きづらさに対してはまだたくさん語られてきていないというか、モヤモヤしてる男性って少なくないのかなと思いますね。

そうですね。そういう人に読んでほしいし、いっしょに悩む覚悟でいますよ!ってことが伝わったらいいなというか。そんな感じですかね。

——めちゃくちゃ頼もしい姉さん!って感じで最高です。これからも短さんの作品や出演作、楽しみにしてます! 

小説集『ほどける骨折り球子』
自分の「弱さ」と「強さ」に後ろめたさを抱く男女の“守りバトル”、その結末は?芸能界でも活躍中の新鋭作家・長井短の傑作小説集! 映画現場の「見えない存在」を描く「存在よ!」併録。

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舞台「ヴェニスの商人」
シェイクスピア作品初挑戦となる長井短さんは、侍女・ネリッサ役として出演。
東京・日本青年館ホ ールにて12月6日~22日、京都・京都劇場にて12月26日~29日に、愛知・御園座にて2025年1月6 日~10日に上演。

文/dōzo編集部 オノマエ
写真/長井短さんご提供

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