
INTERVIEW
イラストレーター・コグレチエコさんが描く、「ファンタスティックな秋のはじまり」《dōzo art club》
こんにちは!dozoライターのPEです🐣
ギラギラした夏の暑さが残暑に代わり、少し秋めいてきたかな?と思う今日このごろ。
夏が終わってしまうのはちょっぴり寂しいですが、美味しいたべものがたくさん実る秋もだいすきです。
そんな秋のはじまりにぴったりな9月のdozo限定スマホ壁紙を描いてくださったのは、イラストレーターのコグレチエコさん。
今回は、壁紙の制作秘話のみならず、作風のルーツやこれから挑戦したいことなど、コグレさんの魅力を感じられるお話をたっぷり伺いました!
コグレチエコ書籍、広告、パッケージ等にイラストを提供するほか、草木や動物などのモチーフと、模様や図形を組み合わせたペインティング作品を制作・発表している。
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秋の気配と、夏の賑わいが同居する世界
↑ イラストはdōzoアプリからダウンロードできます。アプリインストールはこちらから
——9月の壁紙、ひと目見た瞬間に気分がふっと上を向きました。色やモチーフもどこか心を軽くしてくれるようで、どんなイメージで描かれたのか教えていただけますか?
とにかく壁紙を見たときに、気分がパッと明るくなるようにと思って描きました。
9月だと暑さも残っているし、秋の気配を感じつつもまだまだ賑やかで楽しい雰囲気を残したいなと思ってカラーリングしました。夏の終わりと秋のはじまりをイメージして、少しトーンを抑えたレインボーカラーを黒背景にのせてコントラストを出しながらも落ち着いた雰囲気にしています。
お月見のモチーフはdozoのカワツさんからアイデアをいただいたので「いいね!」「楽しそう!」と思ってそのまま使わせてもらいました(笑)。背景の黒についても、カワツさんが以前個展に来てくださった際にカラフルな作品が多い中で、「黒背景の作品が好き」と言ってもらったことが心に残っていたので、取り入れようと思ったんです。
——黒背景に浮かぶレインボーカラーやお月見モチーフがとても印象的ですね。ファンタジーの世界に迷い込んだような雰囲気が伝わってきます。
月明かりに照らされてウサギやお団子がふわふわ浮かぶような、幻想的なシーンを描きました。そこに記号的な丸や台形を組み合わせることで、幾何学的だけど実はとてもファンタジーな世界を目指しました。
——作品を拝見したとき、お団子やウサギがふわりと宙に漂っていくように見えました。その発想はどこから生まれたのでしょう?
月を見ている時ってなにか吸い込まれているような気持ちになりませんか?そこにすべての意識がいって我を忘れるみたいな。
そういう不思議な瞬間を絵にした感覚です。でも、狙って描いたわけではなくて、後々考えるとそうだったのかな?と。後から意味を見つけることが多いですね。
——直感から立ち上がった作品って惹かれます。今回の壁紙の中で、特に「ここを見てほしい!」というお気に入りポイントはありますか?
ウサギの目を見て欲しいですね!実は目線が違うんです。
あとは、木目に見立てたグラデーションを施した三宝(お月見団子を飾る台)も気に入ってます。ちなみに台に描いたdozoのロゴは、木彫り風にデザインしているんです(笑)。
長い年月を経て見つけた、唯一無二のスタイル
——コグレさんがイラストを描く上で、「これは絶対に大事にしている」というこだわりは何でしょう?
イラストを見た方が、開放的になったり心が上向きになるようなものをつくりたいと思って制作しています。
例えば、すごく可愛らしいものを描くとかではなく、色やカタチ、うねりなどでポジティブな感じが少しでも伝わるように。お仕事で決まったモチーフを描く時も、形や線をおおらかにしてみるなどの工夫はしています。
——線や形の工夫が“コグレさんらしさ”につながっているんですね。そうした今のスタイルに行き着いた背景には、どんなルーツがあるんでしょう?
シンプルで誰もが知っているモチーフが好きなんです。例えば犬や猫のように分かりやすい動物モチーフは、作品の中で自由に変形させてもちゃんと伝わる。そういうものを選んで描いてきた結果、今のスタイルになったのだと思います。
コグレさんのシンプルなモチーフを取り入れた作品
今のスタイルは、いろいろ描いていく中で自然と見つけた得意なものっていう感じですね。自分の世界観と組み合わせたときに使いやすかったり、変形させやすいモチーフに辿り着いたというか。始めから「これが好き!」と思って描いていたというよりは、『これ楽しい!』と気づいて続けてきた感じなんです。
——カラーリングも特徴がありますが、最初からカラフルな作風だったんでしょうか?
そうですね。とにかく色が好きなんです。その上で組み合わせるのが大好きで。
自分の好きな定番な組み合わせがすでに結構あるんですが、それに加えて新しい色の組み合わせを見つけるのも楽しみの一つです。
色に関しては定番の好きな色+新しい色を取り入れることをいつも意識的にやっています。雰囲気を表すのにやっぱり色は効果的だと思うので、今回の壁紙制作も、チャンスだな!と思っていつもと違う色合いを取り入れました。
映像作りからの転身
——経歴をお伺いしてびっくりしたのですが、実は映像学科のご出身なんですよね。
そうなんですよ(笑)。もうかなり前の話ですが、美術大学の映像学科でアニメーションを作っていました。
いろんな質感の素材で使ったパーツに手描きの要素を加えたしながら動かしてコラージュアニメーションを作っていました。アニメーションを作ること自体も楽しかったのですが、動かすための素材を制作することもすごく好きでした。
でも次第に「触れられる作品を作りたい」という気持ちが強くなって。実際に触れられるものもつくりたいという気持ちが強くなって、イラストを描くようになり今に至ります。もともと映像作品が大好きで映像学科に進んだので、いまでも映像からインスピレーションを得て絵を描くこともたくさんあります。やっぱり映像が大好きなんだと思います。
コグレさんの作品(Instagramより)
——特に影響を受けた映像作家や作品があれば教えてください。
これって決められないくらい、多くの作家から影響を受けていると思います。
なかでも、亡くなられてしまったデビッド・リンチの存在は大きいです。映像学科に入る前に観た『イレイザーヘッド』の衝撃は今も忘れられません。映像だけでなく、絵画や音楽など幅広く表現したアーティストとしての姿も尊敬しています。
そして、いつも新作を楽しみにしているのがフィンランドの映画監督アキ・カウリスマキです。静かな語り口とミニマルな演出で、一見暗い題材を扱いながらも、ユーモアと温かなまなざしがちりばめられていて、観終わると心が温かくなります。映像の色彩や構図の美しさ、ノスタルジックな音楽も大きな魅力です。
——コグレさんの感性の源に少し触れられた気がしてワクワクしました。教えていただいた映画、私もチェックしてみます!
未来への挑戦
——前回の個展ではお皿などの陶芸作品にも挑戦されていましたよね!これから挑戦してみたいことがあれば教えてください。
陶芸は始めたばかりなのですが、今後も積極的にやっていきたいですね!
形や色を表現できないことも多いけれど、コントロールできないからこそ色々工夫するのが面白かったりもしています。とはいえ、今後はもっと技術を身につけて、やりたいことを形にして自由に作れるようになりたいですね。
コグレさんの陶芸作品
海外に住む友人からの、未来へのギフト
——最後に、dōzoにちなんで、印象に残っているギフトエピソードを教えてください!
海外に住む友人がいるのですが、帰国したときにたびたびくれるプレゼントが本当に素敵なんです。
今、幼い子どもを育てている私に、子どもの成長に合わせて少し先に役立つものを選んでくれていて、まるで“未来への贈り物”をもらっているみたいで、すごく嬉しい。
彼女も子育てを経験しているので、いつ何が必要になるのかがわかるんですね。本当に気の利いた優しいプレゼントで、どれもとても役に立つし、すごく可愛くて、子どももすごく気に入ります。
歯固めとして使えるフルーツ型のおもちゃ、滑り止めつきの靴下、倒してもこぼれないマグ、小さなお土産のようにさりげなくくれるのも素敵です。そういった配慮に、すごく感動しました。私もいつか真似したいなって(笑)。
※写真のドラゴンフルーツ型の歯固めが友人にもらったもの。あまりに気に入ったそうでケールとマッシュルームはコグレさんがご自身で揃えたそう。
スペインのブランド「OLI & CAROL」の歯固め
——“未来への贈り物”、素敵すぎます!相手の生活に馴染む、気の利いたギフトって最高ですよね。
コグレさん、素敵なインタビューを本当にありがとうございました💫
🍡🐇 コグレさんの壁紙は、dōzoアプリからどーぞ!
コグレさんの壁紙は、dōzoアプリでダウンロードできます!
ぜひスマホに涼しい秋を!
■ダウンロード方法
1. dōzo公式アプリをダウンロード!
2.アプリの会員登録をして、ホーム画面を一番下までスクロールすると、「Wall Paper 今月の壁紙」が出てきます
3. 「壁紙をダウンロードする」ボタンをタップして、壁紙を表示
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Text:PE
Edit:dōzo編集部
Photo:コグレチエコさんご提供