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黒田愛里さんが描く“カラフルで、ちょっと抜けてて、愛おしい”イラストのひみつ。《dōzo art club》
 

黒田愛里さんが描く“カラフルで、ちょっと抜けてて、愛おしい”イラストのひみつ。《dōzo art club》

Editer:dōzo編集部

こんにちは。dozoライターのPEです。
街中がすっかりクリスマスムードになってきましたね。

そんなワクワクする季節にぴったりの12月の壁紙を描いてくださったのは、カラフルでポップ、そしてどこかゆるくて親しみやすい世界観が魅力のイラストレーター・黒田愛里さんです。

今回の記事では、壁紙制作のこだわりから、日常の観察力が生むアイデア、そして作品のルーツや今後の挑戦まで、黒田さんの魅力に深く触れるお話をたっぷり伺いました!

黒田愛里

東京工芸大学芸術学部卒業。第11回TIS公募で審査員賞を受賞し2014年よりTIS会員。雑誌、書籍、商業施設や百貨店の広告等を中心に国内外のアパレルメーカーとのコラボレーションなど幅広く手がけている。
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12月の壁紙に、ワクワク感やお気に入りをのせて。

↑ イラストはdōzoアプリからダウンロードできます。アプリインストールはこちらから

——とにかく可愛くて明るい印象の12月の壁紙!今回のこだわりポイントを教えてください。

クリスマスツリーなどホリデーシーズンのワクワクするイメージを詰め込みました。ホットチョコレートを飲んだり、プレゼントを用意するのが好きなので、自分の好きなモチーフも散りばめています。このイラストをみた方に、クリスマスを楽しむための準備とか、ホリデーシーズンを過ごしてるイメージが自然と伝わるように描きました。

以前別のお仕事で“チキンのキャラクター”を描いたことがあって、そのチキンが自分の中で結構かわいいなって思ってたので、今回は別の形で再登場させています。他にもオーナメントや手袋なども顔をつけて擬人化してみました。

——手袋の擬人化、すごく可愛いと思いました!

毎年11月や12月は買い物を楽しむことが結構あって、今年もアームウォーマーを新調しました。そういった身の回りの小物からアイデアを出すことも多いですね。靴下は、自分が誰かにプレゼントしたいなって思うものだったりするので、靴下のモチーフも入っています。

——たくさん描いていただいたモチーフの中でも特にお気に入りはありますか?


そうですね。中央の「CHRISTMAS」と書かれたサンタ帽子をかぶった白いワンちゃんですかね。このワンちゃんは一番最初にメインでおこうって決めていて。どこか気の抜けたような表情もいい感じで描けたなと思っています。帽子とのバランスも個人的に好きな雰囲気で描けたので結構気に入ってます。

黒田さんのお気に入りワンちゃん


——この表情がいいですよね。ちなみに、モデル犬とかいたりするんですか?


友達の飼っているワンちゃんが可愛いので、なんとなく気の抜けたイメージはその子からきているのかもしれません。モデルっていうよりかは、雰囲気を参考にさせてもらっている感じです。ベロが出てるワンちゃんってすごい可愛いなって思っているので、そういう要素も入っています。

——壁紙を見た人には、どんな気持ちになってほしいですか?

ひとつはワクワクしたり、テンションが上がるようなイラストだったらいいなと。あと、12月ってみなさん本当に忙しいじゃないですか。なので忙しい時でも、この壁紙をみてちょっとでも気が抜けるというか、気が休まってくれたらいいなとは思います。

何気ない日常と人間観察がアイディアの源。


——黒田さんの作品には、生活の中のちょっとした“抜け感”や、気取りすぎない可愛さがありますよね。普段、どんなところからアイディアが湧いてくるのでしょうか?

散歩や何気ない日常の中で“ちょっと面白いな”と思った瞬間や、ふと目に入ったものから着想を得ることが多いです。あとは旅行や少し遠出した時の実体験をオリジナル作品では描くことが多いです。
最近だと、ワンちゃんのイラストを描きたいという熱(ブーム)があるので、アイディア探しも兼ねてドッグランへ行くこともありますね。

——今のモチーフのブームはワンちゃんだと思うのですが、その前の時期は、どんなモチーフにハマっていたのでしょう?

人物を描くことが多かったですね。動物のイラストは人物と一緒にたまに登場するぐらいでした。最近は、犬がメインだったり、蝶だったり、擬人化した太陽とか星とか、可愛いモチーフが増えてきました。人物から緩やかに変化していった感じです。お花も近年、よく描いています。

——たしかに。黒田さんはお花のイメージがありますし、陶芸のフラワーベースもすごく素敵です!

黒田さんの陶芸作品

陶芸も今はお休みしているのですが、何年かやっていたのでフラワーベースも作っていました。立体と平面で展開することが多かったですね。

——黒田さんはイラストだけじゃなくて、立体のものやグッズも本当に魅力的ですよね。個展の会場も、“黒田さんのお部屋の出張版”みたいな、空気感まで含めて素敵です。

個展会場

そう言っていただけるのが一番嬉しいかもしれないです!自分の部屋やアトリエの雰囲気をなるべくそのまま見せたいなと思っているので。

——個人的に黒田さんの空間センスだけでなくタイトルセンスも大好きで…。特に、学生時代に描かれた『経堂のエクセルシオールで寝ない方法』や『タコ・イズ・オーケー』のタイトルがめちゃくちゃ好きです。

すごい!懐かしい(笑)。たくさん調べてくださってありがとうございます!タイトルのキャッチーさみたいなのを考えるのが結構好きなんですよ。タイトル先行でイラストを考えたりすることもよくありました。
『タコ・イズ・オーケー』は、外国人の方との実際のエピソードから生まれたんです。その方が「イカは可愛いから食べられなくて、タコは可愛くないから食べられる」っていうのをすごくシンプルな英語で言っていたのが面白くて。その思い出とともに絵にしました。このタイトル、すごく気に入っていたので、こうして話題にしていただけて嬉しいです!

作品「経堂のエクセルシオールで寝ない方法」

——日常の中の気付きや、人間観察が作品につながっているのがよくわかります。その中でも一番、創作意欲が湧くのはどんな瞬間ですか?

“可愛い+ちょっと気の抜けた瞬間”が見えたときです。ワンちゃんに例えると、とぼけた表情だったり虚無な感じとか、そういう“抜け感”が好きなんです。
あと、人が待ち合わせしてる瞬間もすごく好きですね。待ち合わせ前の表情と、会った瞬間の表情がガラッと変わるじゃないですか。待ってる姿って可愛いなと思うのですが、女の人は特に、その後の急な変化が激しいなって気付いたり(笑)。今でも隙間時間さえあれば、待ち合わせを眺められるカフェに長居して人間観察をします。待ち合わせのビフォーアフターというか、待ってる時の無表情と会った時の急なテンションの上がり方みたいなギャップを見た時に、ああ、なんかいいなとか、絵にしたいなと思います。

憧れの洋服やイラスト、お気に入りの音楽が制作のスイッチに。


——影響を受けた作品やアーティスト、自分の作品に生きているコンテンツなどはあったりしますか?

お洋服がすごく好きで、なかでもENFOLDとnagonstansというブランドが好きです。自分の絵に影響しているかというと、ちょっとわからないですが、立体的なところとか、色の重ね方や色のチョイスとか、そういうところにトキメキを感じます。毎回テーマに沿った特徴的なデザインを提案しているところも好きですね。見るだけではなくて、実際に着てみてもトキメキがあるので、このブランドを身につけるために頑張ろう!という制作のモチベーションになっていると思います。

ENFOLDのお洋服を纏う黒田さん

好きな作家さんでいうと、フランス人イラストレーターのマリー・アセナさん。ちょこちょこ日本のお仕事もされていて。日本がお好きらしく、個展の時は来日されているので、実際に何度かお会いしました。マリーさんのイラストは軽やかなユーモアが漂う世界観で、それでいて洗練された雰囲気もあるのがとても素敵です。マリーさんご自身が自分のカタチみたいなものを軸にしっかり持っていらっしゃるので、シンプルに描かれているのにちゃんと可愛い。シンプルに描けば描くほど、イラストって難しいんですよね。

マリー・アセナさんの作品(額装作品と人物2人が描かれたもの)

——マリーさんと実際にお会いされたこともあるとは!素晴らしい出会いですね。黒田さんは音楽好きなイメージがあるのですが、普段はどんな音楽を聴きますか?

ピアニストのヘニング・シュミートさんの曲を作業中に流していることが多いです。ちょうど去年、ヘニングさんのコンサートにも伺いました。池袋の自由学園明日館で、2月の柔らかな光に包まれた空間でのコンサートは本当に最高でした。
イラストを描き始めるアイデア出しのタイミングなど、あまり言葉が耳に入らない方がいいなと思うときは、ずっとヘニングさんのピアノの音を聴きながらイラストと向き合っています。

——ヘニング・シュミートさんの曲、聴いてみたくなりました!

旅先での思い出を、イラストにのせて。


——今までの作品作りにおいて、特に思い入れのある作品や制作エピソードはありますか?

最近の作品だと、去年スウェーデン旅行に行った際の体験をもとに描いた作品です

スウェーデン旅行をもとにした作品「Ice Cream」

友人がミッドサマーの時期にスウェーデンに行くと言っていたので、そこに便乗してついていきました。祝祭では、みんなで手を繋いで踊ったり、ポールが立つのを見届けたり、葉っぱで作った冠を頭につけたりと、非日常な体験ばかりでした。本当に天国のような場所でしたね

スウェーデン旅行中のお写真

イラストにしたのは旅行中の別のシーンなのですが、自分たちがお茶をしているテーブル近くにカモメがやってきたんです。実際にそこのお茶してる場所の後ろに湖があって。ザ・スウェーデンっていう雰囲気だったので、それを作品にしました

作品のモデルになったカモメ

——実体験をもとに描かれていたんですね!カモメがアイスを狙っている表情が印象的です!

日々の仕事が、イラストを磨いていく。


——黒田さんのイラストは昔からずっと変わらずカラフルなイメージがあるのですが、学生時代から遡ると、作風の変化などはありますか?

学生の頃は、全力で全てを細かく描いていました。もちろんそういう描き方も好きだったのですが、“全部を描かない”からこそ出る余白や抜け感の良さに気付いてから、少しずつ描くポイントを絞るようになりましたね。
お仕事をする中で使える色が限られる案件も多く、結果的に色遣いもシンプルに。意外とこの色数でできるんだ!という気付きもあって。今まで無限に色を使って描いていましたが、お仕事を通して、徐々に色遣いもシンプルになりました。あとは、陶芸を通して、限られたモチーフや面でも作品は成立するんだと実感しました。立体で作ることで、モチーフを見る目も変わった気がします。

黒田さんのお仕事(黒田さんWEBサイトより)

——クライアントワークでの発見や、陶芸といった別分野の表現に挑戦していく中で、黒田さんの魅力がより研ぎ澄まされていったという感覚なんですね?

そうだと思います。色を絞って描いてみると、意外と色数が少ない方がおしゃれな感じがするなとか、ファッションなんかもそうですが、年々変化していくのと同じで、今この気分がすごい自分と合うなみたいなところがあります。最近は色数を絞って制作することが多くなってきました。

——今後やってみたいお仕事や挑戦してみたいことはありますか?

パッケージのお仕事です。ちょうど、そんなお仕事をやりたいな〜と思っていたら、ありがたいことにパッケージのイラストの依頼があって、本当に楽しみにしています。
あと、ずっと夢なのは、クッキー缶や包装紙のイラスト。いつか自分からご縁が繋げられるように頑張っていきたいなと思っています。

——黒田さんのイラストのクッキー缶や包装紙、絶対可愛いですね。楽しみです!

長い付き合いだからこそ贈れる、暮らしに溶け込むギフト。


——最後に、dozoにちなんで最近のギフト事情を教えてください!

すごく直近で言うと、友達が引越しをしたのですが、お誕生日プレゼントと引越し祝いを兼ねて、壁掛けシェルフをプレゼントしました。その子が以前うちの家に遊びに来た時に、うちにあった壁掛けシェルフを見て、「こういうのいいな」とすごく興味を示していたので贈りました。ちょうど(取材日の)明後日にその子の家で一緒に開封して設置する予定です(笑)そこに何を置くかなど、一緒に考えるのがすごく楽しみです!

壁掛けシェルフを一緒に取り付けているお写真

——生活の一部になるようなプレゼントって、なかなかできないのでもらうとすごく嬉しいですよね!気心が知れている仲だからこその、暮らしに寄り添うギフト選び。今回は素敵なインタビューを本当にありがとうございました💫

🎄🐶 黒田愛里さんの壁紙は、dōzoアプリからどーぞ!

黒田さんの壁紙は、dōzoアプリでダウンロードできます!
あなたのスマホにもクリスマスのワクワクを🎄

■ダウンロード方法
1. dōzo公式アプリをダウンロード
2.アプリの会員登録をして、ホーム画面を一番下までスクロールすると、「Wall Paper 今月の壁紙」が出てきます
3. 「壁紙をダウンロードする」ボタンをタップして、壁紙を表示
 ※過去の壁紙は「過去の壁紙を見る」をタップ→壁紙画像をタップして、壁紙を表示
4. 左下のシェアボタンをタップ→「画像を保存」で保存ができます!

Text:PE 
Edit:dōzo編集部
Photo:黒田愛里さんご提供

 

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