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イラストレーター・藤原琴美さんのひそかな気持ちが、絵になるまで《dōzo art club》
 

イラストレーター・藤原琴美さんのひそかな気持ちが、絵になるまで《dōzo art club》

Editer:カワツ

こんにちは!dōzo編集部カワツです。
皆さん、あけましておめでとうございます。今年もdōzoをどうぞよろしくお願いいたします🐎

さて、新年最初の1月のスマホ壁紙を描いてくださったのは、イラストレーターの藤原琴美さん。ぱきっとした黄色が印象的な、馬と女の子を中心に冬のモチーフが静かに共存する一枚です。

今回の壁紙に込めた思いや、制作の背景、イラストレーターになったきっかけ、インスピレーションの源まで、たっぷり伺いました。

藤原琴美

KOTOMI FUJIWARA1994年海の日生まれ。愛知県立芸術大学デザイン学部卒。広告制作のディレクターとして企業に勤務ののち、2022年に独立。植物、うつわ、ことばをモチーフに有機的なタッチで描く。
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「初夢」をテーマにした、静かな物語

↑ イラストはdōzoアプリからダウンロードできます。アプリインストールはこちらから

——今回の1月壁紙を描くにあたって、こだわったポイントや意識したことを教えてください。

最初は、同時にいくつか案が浮かんでいました。もっと“お年賀っぽい”モチーフも考えていて、こたつにみかんとか、門松、鏡餅とか。でも途中で、「あれ、1月って意外と長いな」って気づいて、ずっと使ってもらえる壁紙がいいなと思ったんです。新年感はありつつ、でも限定されすぎないもの。そのバランスを考えていく中で、来年の干支でもある馬をモチーフにしようと思いました。

——馬を選ばれたのは、干支だからという理由だけではないんですよね。

そうなんです。実は最近、馬がすごく好きで。馬事公苑に行ったり、馬を見に行ったりする機会もあり、自分の展示作品でも馬を描いていたんです。個人的な興味と、タイミングが重なった感じでした。

直近の展示での馬の作品

——今回の壁紙で、特に意識した表現はありますか?

色は、かなり意識しました。全体的に、ぱきっとした黄色を使っています。触感が伝わるような、少し強さのある黄色。新年の空気感にも合うし、縁起も良さそうで、画面を開いたときにパッと元気が出る色にしたかったんです。テーマとしては「初夢」を意識しています。ちょっとほほえましい感じにしたくて、実はこの馬、人間の女の子にひそかに恋をしているんです(笑)。

——えっ、そうだったんですね!

あからさまじゃなくて、気づく人だけが「ん?」って思うくらいの距離感。そういう、静かな気持ちの動きみたいなものを込めています。

——見れば見るほど、想像が膨らみます。お気に入りポイントはありますか?

お気に入りのポイントとしては、女の子と馬、それぞれに乗せたモチーフですね。最初は両方にみかんを乗せようと思っていたんですが、途中で、女の子には「一富士二鷹三茄子」の茄子を、馬にはみかんを、って分けたほうが面白いなと思ったんです。

頭の上には茄子とみかん

——女の子と馬のまわりにある自然のモチーフも印象的です。

毎回、作品のどこかに自然の要素は何かしら入れるようにしているんです。今回は冬なので、雪の粒だったり、星だったり、枯れ葉だったり。冬全体の印象を、少しずつ散りばめています。

インスピレーションは自然と暮らしから


——藤原さんの作品には、植物や自然の営みがよく描かれている印象です。インスピレーションはどんなところから?

まずひとつ目は、生の自然ですね。ときどき滝を見に行ったり、川の近くに行ったり、自然のある場所に身を置く時間を大事にしています。花や植物って、形とか葉っぱの生え方とか、人間がどう頑張っても勝てないなって思うんです。「生えているだけで、めちゃくちゃきれい」って。

ふたつ目は、家具やインテリア、小物ですね。個性のある家具や花瓶、オブジェ、フローリストさんの花の組み合わせを見るのが好きです。植物と家具、小物がうまく組み合わさった部屋を見ると、すごくときめきます。

形や色が印象的な花瓶やオブジェたち。

dōzoのテーマイラストでもお部屋やインテリアを描かせてもらったこともありましたが、ああいうイラストを考えるのは本当に楽しいですね。
(藤原さんの担当したテーマ一覧はこちら。)

本と感情が、表現の軸になる。


——これまでに、特に影響を受けた作品や作家はいますか?

本を読むのが好きなので、エッセイや小説から影響をかなり大きく受けています。小学生の頃からずっと好きなのは、さくらももこさんです

——どんなところに惹かれますか?

人間のどうしようもない部分を、すごく正直に、でもユーモアをもって描いているところですね。「情けない」「みっともない」って、普通は隠したくなる感情でも、さくらももこさんの文章を読むと、「あ、これでいいんだ」って思えるんです。

それから、江國香織さんや川上未映子さんなど、女性作家さんのエッセイや小説もよく読みます。どの方も、心の動きをすごく深く掘り下げて書いている方たちで、「わかる…」って共感しながら読むんですけど、同時に「あ、こういう表現もあるんだ」って、新しい発見もあるんです。

江國さんの小説の好きな一節から着想を得て、
イラストを描いたこともあるそう

あと、本以外で大きな存在なのが、画家の石田徹也さんです。10代の頃に作品を初めて見たとき、正直ぎょっとしました。暗くて、怖くて。でも、辛い現実や孤独、報われなさを、突き放さずに、皮肉っぽく、ユーモアに変えて描いているように感じて、惹かれました。

——負の感情を、そのままにしない感じがありますよね。

そうなんです。ただ暗いだけじゃなくて、おかしみがある。「悲しいけど、ちょっと面白いよね」「それでも、愛おしいよね」っていう視点があるんです。画風ではなく、その姿勢は私の根底に影響しているなと思います。

ルームシェアが変えた、感覚と作風


——以前、ルームシェアをされていたと伺いました。その経験は、今の作品につながっていますか?

めちゃくちゃ、つながっています。今の作風で作品を公開し始めたのが、ちょうどルームシェアを始めたタイミングだったんです。当時はコロナ禍で、勤めていた会社がフルリモートになって。狭い部屋で一人、画面に向かって黙々と働く毎日が続いて、「このままだと頭おかしくなりそうだな」って、本気で思っていました(笑)

——かなり切実ですね……。

はい(笑)。それで、思い切って仲の良い友人と暮らすことにしたんです。2020年から約2年間、一緒に暮らしていました。

一緒に生活するようになってから、インテリア小物や植物への興味が一気に広がりました。「これ可愛いよね」「ここに置いたらどう?」って話しながら、部屋を作っていく時間がすごく楽しくて。可愛いもののセンサーというか、「これ、いいな」って感じる感覚が、すごく磨かれた気がします。

「可愛い」を共有する暮らし

——その感覚が、表現にもつながっていったんですか?

そうですね。コロナ禍で時間もあったので、「可愛いな」と思ったことを、どんどん絵に描き留めるようになりました。ちょうどその頃、個人で何か発表したいという気持ちも強くなっていて。アクセサリーなのか、デザインなのか、文章なのか…何で発表するのがいいのか、すごく迷っていました。

でも、暮らしの中で「これ可愛いな」「これ好きだな」と思った瞬間を絵にしていくうちに、この表現で行こうってなりましたね。もしルームシェアしていなかったら、表現の方向は全然違っていたと思います。

かわいそうだけど愛おしい一枚


——最近、特に思い入れのある作品はありますか?

ミロをこぼしてしまったイラストですね。情けないし、普通だったら隠したくなる出来事なんですけど、「でも、そういうところがいいよな」って思って描きました。

実際に藤原さんがミロをこぼしちゃったそうです

自分のダメなところを許すというか、かわいそうな感情をちゃんと消化する、みたいな感覚です。「かわいそうだけど愛おしい」という気持ちは、大事にしているテーマの一つですね。

ギフトは、「らしさ」を渡すもの


——dozoにちなんで最近のギフト事情を教えてください!

ルームシェアしていた友人から、手作りのオーナメントをもらったことですね。作っている様子をストーリーで見ていたり、話を聞いていたりしたので、思い入れがすごく湧きました。「何かを作る」って、その人らしさがすごく出るなと思っていて。それを受け取れるのが、すごく嬉しかったです。

ご友人の手作りオーナメント

——贈ったギフトで印象に残っているものはありますか?

小さなオブジェを贈ったことがあります。その人の家に行くたびに再会できるのが楽しくて。自分のエッセンスが少し入ったものを贈るの、いいなと思います。

——自分のエッセンスを入れられるって、アーテストの皆さんならではで素敵だなと思います!最後に、今後やってみたいことを教えてください。

お仕事では、小説やエッセイの挿絵をもっとやってみたいです。今年初めて本格的に取り組んでみて、「人の考えていることを、自分の中に一度落とし込んで、絵として立ち上げる」作業が、すごく楽しいと感じました。

制作としては、立体物やオブジェ、キーホルダーなどにも挑戦していきたいです。生活の中にそっと置かれて、「愛おしくていいな」って思ってもらえるようなものを作れたら嬉しいですね。

——藤原さんの今後の作品にも目が離せないです!今回は素敵なお話ありがとうございました✨

🐎🍊 藤原琴美さんの壁紙は、dōzoアプリからどーぞ!

藤原さんの壁紙は、dōzoアプリでダウンロードできます!
あなたのスマホにも初夢のドキドキを♡

■ダウンロード方法
1. dōzo公式アプリをダウンロード
2.アプリの会員登録をして、ホーム画面を一番下までスクロールすると、「Wall Paper 今月の壁紙」が出てきます
3. 「壁紙をダウンロードする」ボタンをタップして、壁紙を表示
 ※過去の壁紙は「過去の壁紙を見る」をタップ→壁紙画像をタップして、壁紙を表示
4. 左下のシェアボタンをタップ→「画像を保存」で保存ができます!

Text & Edit:dōzo編集部
Photo:藤原琴美さんご提供

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