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気づくと話してる、クリスマスのこと。dōzo編集部が綴る3つのお話

ESSAY

気づくと話してる、クリスマスのこと。dōzo編集部が綴る3つのお話

Editer:dōzo編集部

街全体がキラキラ輝いて、浮足立つクリスマスシーズンになりましたね🌟

とはいえ、あくまで多宗教のジャパンで過ごす我々。
全力で盛り上がる人、ちょこっと意識しつつも通常運転で過ごす人…いろんな人がいるんじゃないかなと思います。

dōzo編集部メンバーも、クリスマスの過ごし方は人それぞれ。
でも、それでいいじゃない。どんなクリスマスも、自分だけの過ごし方のはず。

そんな気持ちで綴ったdōzo編集部3人による、ゆるーいクリスマスについてのお話です。
あったかいココアでも飲みながら覗いてみてください🎄


クリパにお邪魔してみたら

オノマエ

2年前のクリスマス。
友達の家のクリスマスパーティーにお邪魔した。

その家には、友達のA子と、A子ママが二人で暮らしている。
私は何度も遊びに行かせてもらっていて、フレンドリーでたまに鋭いツッコミもするA子ママのことが大好き。

遊びに行ったときにパーティーの話を聞いて、「いいな〜楽しそう〜」と羨ましがったら「じゃあ今年は一緒にやろうよ」と誘ってくれた。

“親子水入らず”のところに混ぜてもらうなんて…と最初はちょっと遠慮したけど、 久しぶりに「クリスマスパーティー」なんて言葉を聞いたらやっぱり惹かれてしまって、ありがたく参加することにした。

🎄

パーティー当日は、朝からケーキ屋に並んで、クリスマスっぽいブーケも買って、るんるん浮かれながらお土産に持っていった。
家に着いてパーティーが始まったら、三人でサンタ帽やトナカイのツノをつけて、A子ママお手製の料理やケーキをおなかいっぱい食べて。

推しの話とか旅行の話、最近よく見てるYouTubeの話でひとしきり盛り上がったあと、A子とA子ママが当時ハマっていたSwitch(たしかピクミン3)で遊んだ。
A子ママはゲームがかなり上手で、スゲー!ってなった。

朝からずーっとワクワクして、なんだか懐かしくて、すごく楽しかった。

A子とA子ママがSwitchで遊んでる声を聞きながら、気づいたら私は寝ていた。人んちのソファで。
二人のどちらかがそっとブランケットを掛けてくれて、一瞬目が覚めたけど、そのまま寝たふりをした。
もうアラサーなのに、なんだか小さな子どもに戻ったみたいだな、と思った。

🎄

高校生くらいから変に大人ぶろうとしていた私は、クリスマスを家族で過ごさなくなっていた。
きれいなイルミネーションを見たり、おしゃれなレストランディナーを楽しんだりもいいけど、こういう“子どもみたいに楽しむクリスマス”、すっかり忘れてたなあ。

そんなことを考えてるうちにまた寝ちゃって、目が覚めたら、A子とA子ママが楽しそうにお酒を飲んで談笑していた。
「起きたー?そろそろいい時間だよ」
「やだ~、、帰りたくなぁい」
そんな会話をしたと思う。

ちなみに、あまりに楽しかったのでその次の年、つまり昨年のパーティーも参加した。
今年はどう過ごそう? ひさしぶりに、自分の実家に帰るのもいいかもしれない。誰と過ごしても「子どもに戻るクリスマス」を、これから先も楽しんでいきたいな。



意味の薄い挑戦

カワツ

12月が近づくと、街中が勝手にクリスマスの色をまといはじめる。

その景色に触れるだけで、胸の奥でクリスマススイッチがカチッと入る。 誰に頼まれたわけでもないのに、季節に押されてちょっと浮かれちゃう。 人って案外、季節のせいで簡単に気持ちが動く生き物なのかもしれない。

ある年、「ツリーがないなら…作るか?」と妙なやる気が出て、家中にある漫画を積み上げてみた。
漫画ツリーだ。

背表紙の色がカラフルで、電飾を巻いたら、急に"それっぽい雰囲気"を出してきて、部屋の一角でやたら得意げに光っていた。

なんかもう、12月って、人より"モノのほうが先に浮かれる季節"なんだと思う。



翌年のクリスマスのこと。 仕事から帰ると、180センチの"漫画ツリー"が私を出迎えてきた。 夫がノリでやったらしい。いや、ノリにしてはデカすぎる。 「去年よりもうちょっと積み上げたい」っていう気持ちが透けて見えて、その謎の成長に思わずにやけてしまった。
そんな"ちょっと"が積み重なって、気づけば我が家は毎年漫画ツリーを建てる家になっていた。

そして、また別の年には、思いつきで 「ケーキのクリーム全部、緑にしたら楽しいかも!」と真緑ケーキを作ったこともある。キッチンがちょっとした"緑の化け物を倒した後"みたいな状態になったけど、それもいい思い出。夫の「え、すご…」みたいな苦笑いも含めて、あれはあれで最高だった。

なんかもう王道の「ちゃんとしたクリスマス」とかじゃないんだけど、 おバカでくだらない楽しい時間があれば十分だなって思った。



漫画ツリーも、真緑ケーキも、いま思い返すと"なんであんなことしたんだっけ?"って笑っちゃうような、 ちょっと不思議で、ちょっと可愛い思い出たち。
でもその "意味の薄い挑戦"ほど、あとでじわ〜っと好きになる。

大人になると、"ただやりたいからやる"っていう遊びが減っていく。
だからこそ12月は、季節に背中を押されて、ちょっと浮かれて、ちょっとふざける自分でいたい。

今年もまた何か、 「これ意味ある?」って言われたら「ないよ♡」って言えるくらいの、私らしい挑戦ができたらいいな〜と思っている。



玄関ドアの飾りについての話

サトウ

わたしが今のアパートに住み始めて5年。

長く住んでいるうちにお隣さんご夫妻との仲も深まって、家の前やスーパーで立ち話したり、駅で遭遇して一緒に帰るなんてこともたまーにある。ご飯いきましょ~って言いつつなかなか実現しない(笑)、ほどよい距離感が気に入ってる。

そんなウチのアパートは、建物のレイアウト上、家のドアがお隣さんと向かい合わせになっている。

お隣さんのドアには、毎年冬になるとクリスマスカラーの小さな靴下がぶらさげられる。それを見る度に「今年も来たか~素敵だな~」と思っていたわたし。
ウチも何か飾りたい!と常々クリスマス飾りを探していたが、ついに今年、変なサンタクロースのチャームを手に入れた!

🎅

変なサンタクロースのチャームとは何なのか。
首から上はいつもの太った白髭のサンタクロース、なんだけど、体はタンクトップに短パンでダンベルを上げている。つまり筋トレ中のサンタさんだ。
出会った瞬間「これだ!」と思い、1200円でゲットした。

買ったのは11月頭だからクリスマスにはちょっと早かったけど、ウキウキでドアにつけた。お隣のドアにはまだ何もついてない。
明日あちらがドアを開けたら、フフッと笑うだろうな。
次会ったら何か言われるかな。
楽しみにしてたけど、残念ながらタイミングが合わず数週間がたってしまった。

そして先日。
ついにお隣さんのドアにクリスマスの飾りがかけられた!しかも、今年はいつもと違うやつだ。

🎅

今年の飾りは、それはそれは可愛かった。

黄色いニット靴下で、上から黒い柴犬が顔を出している。この子はお隣さんの愛犬・カイくんだ。

今年はいつもと違うんだなぁ。犬、カイくんそっくりやん。手作りなのかなぁ。もしかして、筋トレサンタへのアンサーだったりする…?

お隣さんの真意はわからないけど、わたしは勝手にホクホクしてる。こんなやりとりが毎年続いたらうれしい。
「今年もありがとうございました、メリークリスマス!」の気持ちで、来年は変なトナカイを買いたいな。

 

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