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イラストレーター・しまはらゆうきさんの、食欲をくすぐるイラストのつくり方
 

イラストレーター・しまはらゆうきさんの、食欲をくすぐるイラストのつくり方

Editer:dōzo編集部

こんにちは。dōzoライターのPEです。
9月がスタート。少しずつ秋の気配を感じる季節になってきましたね🍂

毎月お届けしている、dōzoアプリ限定のオリジナル壁紙。
9月の壁紙を手がけてくださったのは、イラストレーターのしまはらゆうきさんです。

夏からがらりと雰囲気が変わり、どこか秋の空気を感じる一枚。
ちょっと不思議でわくわくするBBQのワンシーンが描かれています🌝

今回は壁紙に込めたこだわりはもちろん、しまはらさんならではの世界観や発想のルーツなど、たっぷりとお話を伺いました!

しまはら ゆうき

しまはらゆうき1988年大阪府生まれ、東京都在住。イギリスの大学院を卒業後、2015年よりイラストレーターとして活動を開始。幾何学的な形と動きのある線を組み合わせたイラストを制作する。カラフルでポップな色を使い、食にまつわるテーマを描くことが多い。

Instagram @yuki_shimahara


憧れのBBQ。ここにあり!


↑ イラストはdōzoアプリからダウンロードできます。
アプリインストールはこちらから

—— 9月の壁紙は「ちょっと変わったBBQ」がテーマでした。今回のイラストならではのストーリー設定や、モチーフ選びのこだわりを教えてください。

実は私、キャンプができないんです(笑)。虫も苦手だし、テントも建てられないし、片付けも苦手。なんなら動物も苦手です(笑)。なので、このイラストは私の憧れが詰まった一枚なんですよ。

今回はとにかく可愛らしい雰囲気のイラストにしたかったので、キツネとかフクロウとか、キャンプに現れてもうれしいと思える動物を登場させました。
お月見シーズンということもあり、満月は最初から入れたいと思っていたので、夜空に満月が浮かぶシーンにしています。

—— キャンプへの憧れから生まれたイラストだったんですね!
BBQといえば、お肉や野菜を焼くシーンを思い浮かべる方も多いと思いますが、今回「焼きマシュマロ」を選んだ理由を教えてください。

実は、マシュマロも苦手なんです(笑)。でも、BBQでマシュマロを焼いている姿って、すごくかわいいじゃないですか。これも「こんなBBQができたらいいな」という憧れを、そのままイラストに込めています。
しかも、このイラストを描く2日前に、ちょうど友人たちとBBQをする機会があって。みんながマシュマロを焼いている様子もすごく印象に残っていました。思いがけず、自分の思い出とも重なるイラストになりました(笑)。


よーく見ると、マシュマロがすこし溶けてる様子も。なんともおいしそう…!

—— 「焼きマシュマロ」というモチーフも、しまはらさんらしいなと感じました。カラーリングからも秋らしさを感じたのですが、意識されたことはありますか?

いつもはピンクとかオレンジとか明るい色を使うことが多いのですが、今回は秋がテーマだったので、自分らしく最大限に秋を表現するならどんな色だろう?と考えて、ぶどう色を選びました。そこをベースに、キツネの黄色や渋めの紫を組み合わせながら、全体の色味を組み立てていきました。

あと、今回はコピックで質感を出したあと、デジタルで着色する方法で制作しています。コピックを使うと温度感や空気感が生まれるので、雰囲気を大切にしたい作品ではこの方法を使うことがあります。

—— ちょっとアナログっぽい雰囲気は、コピックの質感だったんですね!
今回の壁紙で特にこだわったポイントはありますか?

焼きマシュマロのとろけ具合や、炭火の赤い灯りの表現ですかね。シンプルに表現するのは意外と難しかったです。あとは、マシュマロを焼く時間って、BBQの終盤が多いじゃないですか。あの少ししっとりした空気感も、秋らしいなと思って描きました。

今回は壁紙として使っていただくイラストだったので、普段の作品のように画面いっぱいに描き込むのではなく、アイコンなどが重なることを考えて、全体の重心を下に寄せた構図にしたのもポイントです!

ありったけの食べたい気持ちを、イラストに込めて


—— しまはらさんといえば、「食」をテーマにした作品が多い印象です。今の作風につながるきっかけがあれば教えてください。

大学院時代を含め、4年間ほど暮らしたイギリスでの生活がきっかけですね。とにかく日本食が恋しくて、恋しくて。イギリスでは日本の食材が高いのもあって、なかなか手に入らなかったんです。耐えきれずにさばを買って自分でさば寿司を作ろうとしたこともあったのですが、やっぱり思うような味にはならなかった。作れないし、手に入らないしで、毎日泣きそうになりながら過ごしていました(笑)。その鬱憤を晴らすかのように、食べもののイラストを描くようになりました。

↑ イギリスにいたころ描いていたイラスト

—— まさかそんなエピソードがあったとは。ふだん、食べものを描くときは、どんなことを意識されていますか?

まずは何も見ずに描くようにしています。そうすると、自分がその食べもののどこに一番魅力を感じているのかが見えてくるんです。そのあと、実物を見直して、「ここはこうした方がもっとおいしそうだな」と思うところがあれば、調整しながら、できるだけシンプルに描いています。

お店に食べに行ったときのこともよく参考にしますね。お店の雰囲気が良いと、より記憶に残りますし、「あの人たちと食べたごはん、すごく楽しかったな」とか、「また、あそこに食べに行きたいな」みたいな感情をストックして、イラストにすることも多いです。餃子と小籠包は大好きなので、つい描きがちです。

あとは、“おいしい”だけじゃなくて、なにか面白い要素がないと絵にしたくないという思いがあるので、ユーモアも大事にしています。面白さで、照れ隠ししているんだと思います(笑)。

↑日比谷にある香港点心専門店『ティム・ホー・ワン(添好運)』に行った時の思い出をもとに描いたという作品『香港的女子饒舌会』。

—— 食べものだけでなく、人物の表情や仕草もとても印象的ですよね。人物を描くときにも意識していることはありますか?

おいしそうに食べる人を思い出したり、自分がその食べものを目の前にしたときに、どれくらい興奮したかを思い出しながら描いています。カフェや図書館で制作することもあるのですが、描いているうちに、自分の顔まで食べるときの表情になってきちゃうんですよ。「やばい、やばい!」と我に返って、恥ずかしくなることがあります(笑)。

食べに行ったときも、「あの人、おいしそうに食べてるな」とか、「お箸の持ち方がきれいだな」とか、「食べ方は豪快だけど、すごくおいしそうに見えるな」とか、つい人の食べ方を観察してしまいます。

また、人物の動きで勢いや疾走感を表現したいときは、リアルな動きを取り入れるように意識しています。イラストを始めた頃は、構図を重視して幾何学的なモチーフを取り入れることが多かったのですが、最近はそうした硬さが少し和らいで、より人間味のあるイラストになってきたかなと思いますね。

—— だから、しまはらさんのイラストは、見ているだけで「食べたい!」という気持ちになるんですね。

“食べると本当に元気が出る”じゃないですか。常にそのメッセージを込めて、作品を見た方にも、「お腹を空かせて欲しい」と思いながら描いています。食べものを描く時は、いつもうきうきしながら制作しています。

—— 食べものへの愛が、しまはらさんの作品の原点なのだと感じました。

音の表現のひとつまで、自分らしく


—— しまはらさんの作品では、珍しい擬音語の表現も魅力的ですよね。例えば、コーヒーをドリップする音を「ぴてッ」と表現していた作品が、独特で素敵だなと思いました。

『ぴてッ』/2025年

あれは本当に時間をかけて選んだ言葉だったので、気づいてくださってすごく嬉しいです。YouTubeで30分くらいコーヒーをドリップする動画を見続けながら、「どの言葉が一番しっくりくるかな」と、ずっと考えていました。

作品では擬音語もよく使うのですが、みんなが想像しやすい音を使った方が伝わりやすいのかな?と迷うこともあります。でも、もっとその場の臨場感を表現したいと思ったときは、実際に聞こえた音を自分なりの感覚で言葉に変換した方が、しっくりくるんですよね。例えば、「っ」よりも「ッ」の方が音にシャープさが出るなとか、どこをカタカナにするかとか、そういう細かいところまでじっくり考えながら決めています。

—— 音の表現にも、しまはらさんならではの観察力と感覚が生きているのですね。

イギリスでの生活と身近だった漫画が、今の表現に


—— これまでに影響を受けたカルチャーなどがあれば教えてください。

さっきも少しお話ししましたが、大学院時代に過ごしたイギリスでの生活は大きな影響を受けています。日々の風景や広告、本などを自然と目にするなかで、色や構図を自分なりに吸収していきました。大学院でもグラフィックを学んでいましたが、今につながる感覚的な部分も含めて、イギリスでの生活そのものから受けた影響は大きいなと思います。

あとは、とにかく昔からいろいろな漫画に影響を受けてきました。『りぼん』『ちゃお』『なかよし』は全部読んでいましたね。普通はどれか好きなジャンルだけを読む人が多いと思うのですが、私の場合は全部(笑)。私にとって漫画は、すごく身近な存在なんです。

↑ 4年間を過ごしたイギリスでの写真

↑ しまはらさんが特に影響を受けた漫画たち


—— dōzoでも今年の夏から、アプリ限定漫画『おくりもの交差点』の連載をご担当されていますよね!『おくりもの交差点』のストーリーは、どんなところから生まれているのでしょうか?

実体験というよりは、頭の中で考えたストーリーを漫画にすることが多いですね。人から家族の話を聞いて参考にすることもありますし、「こんな家族いいな」と憧れる気持ちが、アイデアにつながることもあります。

—— 普段のイラスト制作と漫画では、描き方も変わってくると思いますが、漫画を描くときの工夫はありますか?

普段のイラストでは背景を描くのがあまり得意ではないので、自分なりに簡略化して描くことが多いんです。でも、漫画で同じように描いてしまうと、「どういう状況なのか」が読者に伝わりづらくなってしまうことがあります。なので、背景はできるだけリアルさを残しながら描くように意識しています。

—— 読者のみなさんに『おくりもの交差点』をどんなふうに楽しんでほしいですか?

疲れたときにさくっと読んで、「なんじゃこりゃ(笑)」と思ってもらえたら、それだけで十分です。

ギフトにまつわるお話を描いた漫画「おくりもの交差点」。
dōzoアプリから読めます!


“食べもの愛”を、次なるステップへ


—— これから、挑戦したいお仕事などはありますか?

雑誌の食べもの特集のお仕事は、ありがたいことにこれまでにも担当させていただいてきました。

でも、例えばお酒のラベルや食べもののパッケージなど、商品そのものの魅力を伝えるようなお仕事はまだ経験がないので、すごく興味があります。あとは、ごはんにまつわるイベントやフェスの広告も、ぜひやりたいです!

—— しまはらさんの描く食べものの世界観が、パッケージやラベルなど、さまざまな場所へと広がっていくのがすごく楽しみです!

最後に、dōzoにちなんで、印象に残っているギフトのエピソードを教えてください。

出産したときに、友人からいただいた出産祝いがとても印象に残っています。赤ちゃんへの贈り物も、もちろんとてもうれしかったのですが、その友人は私自身のためのボディソープや、いい香りのハンドクリームを贈ってくれたんです。
「疲れているだろうし、自分を癒やすことも大事だよ」と言ってもらえたこともうれしくて。母になる私のことも気にかけてくれているんだなと感じました。意外な贈り物だったからこそ、今でも心に残っています。

—— お母さん自身を想ったギフト、とても素敵ですね。しまはらさんの魅力が詰まったお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました✨

🐰⛺ 壁紙はdōzoアプリからどーぞ!

しまはらゆうきさんの壁紙は、dōzoアプリでダウンロードできます!
あなたのスマホにも9月のワクワクを🌝

■ダウンロード方法
1. dōzo公式アプリをダウンロード
2.アプリの会員登録をして、ホーム画面を一番下までスクロールすると、「Wall Paper 今月の壁紙」が出てきます
3. 「壁紙をダウンロードする」ボタンをタップして、壁紙を表示
 ※過去の壁紙は「過去の壁紙を見る」をタップ→壁紙画像をタップして、壁紙を表示
4. 左下のシェアボタンをタップ→「画像を保存」で保存ができます!

Text :PE
Edit:dōzo編集部
Photo:しまはらゆうきさんご提供

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