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とやまのサカナが美味しい秘密と《観光地域作り法人・水と匠》の想い

INTERVIEW

とやまのサカナが美味しい秘密と《観光地域作り法人・水と匠》の想い

Editer:dōzo編集部

水と匠は、2019年から活動が始まった《観光地域作り法人・水と匠》。観光を手段として、地域の活性化や再生を目指されています。

具体的には、これまで観光と縁のなかった農業や漁業、伝統産業といった業界の方と、富山の魅力を伝えるための体験プログラムを一緒に作ってツアーを組んだり来県を促す働きかけを行なっています。

地域全体のプロデュースもしていて、古民家を改修したお宿やレストランの運営も。今回は素敵なお宿「楽土庵」にて、代表取締役の林口砂里さんにお話をお伺いしました。

とやまのサカナが美味しいワケ


——最初から核心に迫ってしまうのですが、「富山の魚」の魅力ってなんですか?

富山で生まれ育っているんですが、近所のよく行くスーパーに普通に生け簀があって、、

——えー!そんなことあるんですか!

そうなんですよ。本当によくある話なのですが、大学で東京に出てお魚を食べて「なんだこれは~!私の知ってる魚じゃない…」 「お水もお米も、今まで食べてきたものと全然違う!」と、正直食べれなくなってしまって…

——ど、どうしたんですか・・?

全部、富山から送ってもらっていました。笑
そのぐらい当たり前だと思っていたので、富山の食べ物は美味しいんだとその時に気付きました。

その美味しさには秘密があって、富山の地形が関係してるんです。
立山連峰や北アルプスを始めとする3000m級の山々に三方囲まれていて、もう一方は富山湾。高い山なので雪解け水が豊富で、それがこの土地にさまざまな恵みをもたらしています。

ユニークなのは、高い山々から急に平地になるんですよ。それが30〜40㎞続いた後、富山湾にたどりつく。富山湾も陸からたったの2㎞で1200mの深海になるので、30kmの間に4200mの高低差がある、ものすごくダイナミックな地形をしているんです。

——高低差がとんでもないですね!

なので、豊富で豊かなお水が富山湾に流れてきます。普通はかなり沖の方までいかないと辿りつけない深海がすぐ近くにあるので、ホタルイカや白エビといった漁を行うことができるんです。

——なんとなく変わった地形だとは思っていたんですが、こんなに特殊だったとは驚きです。他に特徴的な部分はありますか?

魚を自分たちの都合だけでほしいだけ捕るということをしない、サステナブルな漁というのも富山の漁の特徴です。
定置網漁をメインで行っているんですが、網が何段階かで分かれていてだんだん入り口が狭まっていくので、小さい魚は逃れることができ、大きな魚だけ捕るような仕組みになっています。

これを沖締めといって、一瞬で引き上げてしまうので、魚からすれば何が起こっているのか分からないまま船の上で締めてしまう。なので、苦しむ間もないからストレスにならず傷もつかず、美味しいまま捕ることができています。

——そんな工夫まであったとは、、美味しいわけですね。

貴重な資源と文化を守る、富山の人々の想い


——富山といえば!の白エビについても教えてください。

貴重な資源を守るため、捕りすぎないようにプール制という方法をとっています。全漁船の半分だけが漁に出航して、残りの半分は観光船として活用する。そして、捕れたものは全漁師で等分されています。
観光船も漁師さんが解説をしてくれますし、間近で漁が見れるので、とっても楽しいですよ。

——楽しそう!ぜひ今度体験してみたいです。漁師さんって、マグロの一本釣りじゃないですけど、誰が一番大きいのを捕れるか競い合ってるイメージでした。人と人が繋がりあって漁をしているのに驚きです。

全国的にも珍しいと思います。おそらく、「守っていかないと衰退してしまう」といった危機感があるからかもしれません。
近代的な方法を追及すれば効率的に沢山捕ることもできたはずなんですが、その方法を取らずに「自然と共に生きる」ことも大切にしているので、こうした漁が続いているんだと思います。

——富山県の方と接しているとそういった姿勢を随所に感じることがあります。

自然から恵みをいただいていることを凄く体感しているので、「ありがたい」 「おかげさまで」が富山人の口癖です。
若い漁師さんと一緒に船に乗った時に、「朝日に映える立山連邦は、毎日のように見ていても、毎回美しいなぁと感じる」とおっしゃっていました。

——自然への感謝が働くモチベーションになっているんですね。富山の魚が食べたくなってきた!

選択肢が沢山あるこの時代に、何を食べるのか意識していくだけでも、漁師さんなど作り手の励みになると思います。

今回dōzoでお取り扱いいただく商品の生産者である《松本魚問屋》さんも、大きな魚問屋で築地や海外との取引まで行なっているにも関わらず、手間のかかる加工品を開発されている。それはどうしてなのか、
不思議に思って社長の松本さんに質問したことがあります。

松本さんは小さい頃から氷見の漁港に通っておられて、当時は小さな加工場が沢山あった。けれど、気が付いたらどんどんなくなっていってしまい、このままだと加工品を作る人がいなくなってしまう。お刺身や焼き魚
しか残らなければ、気軽にお魚に触れる機会が減ってしまうのではないか…。そうした理由で、加工品を手がけておられるそうです。

なによりも氷見の加工食品の文化を絶やしたくないといった想いがおありのようです。

——かっこいいですね。やっぱり富山の方の「文化を絶やさない」意識を感じます。

さらに凄いのが、これまでになかった加工品と作ろうと元フランスのホテルでシェフをされていた方に依頼して、鰤をジャーキーや生ハムにしてみてたり、今までは黒作りしかなかったホタルイカをもう少し塩分の少ないものにしたいと麹で漬けたり、新しいものを開発されたんですよね。

急速冷凍の技術で、ぶりやホタルイカのしゃぶしゃぶを一年中食べられるようにするなど、最先端の技術も取り入れていらっしゃるのですが、そこには「美味しいお魚をたべてほしい」と純粋な想いがあるのです。

——当たり前ですけど、漁師さんが捕ってくれただけでは、私たちの食卓には並ばないんだって実感しました。

料理をしない方でも、気軽にお魚を食べられるのもありがたいです。お酒と一緒に食べるのも最高ですね!

↑ 試食させていただきました!ハイボールと合う・・!!

——今回、林口さんにインタビューをさせていただいて、なぜ富山の魚が美味しいのか知ることができました。ありがとうございます。

こちらこそ、ありがとうございました。富山のお魚はとっても美味しいので、喜ばれること間違いないです。ぜひギフトで贈ってみてください!

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