
INTERVIEW
ギフトのヒント、雑貨屋「KONKO」の矢野さんに聞いてみた《教えて教えて! みんなのギフト事情》
相手のよろこぶ顔を想像して、ドキドキしながら選ぶギフト。正解なんてないけれど、何を選べばいいか分からなくて迷っちゃうこともありますよね💭
そんな時のヒントになるかもしれない、いろんな人の「ギフトの思い出」や「自分なりのこだわり」を尋ねていく連載『教えて教えて! みんなのギフト事情』。
今回は、雑貨や日用品のお店「KONKO」を東京・永福町で営む、矢野望(やの のぞみ)さんにお話を聞きました!
KONKOは、思わず手に取りたくなるキッチュな雑貨や、実用性もお墨付きの日用品が揃うお店。内装リニューアルされたばかりの店内で、すてきなアイテムたちに囲まれながらインタビューしました。
ギフト選びは「8:2の感覚」で
——矢野さんはたくさんの雑貨やインテリアに触れてきた“目利き”だと思うのですが、ふだん贈りものをするときに意識していることはありますか?
自分の中で「8:2」の感覚があって。8は、相手が好きそうやなっていうものと、あっても困らなかったり、自分では買わないけどもらうと嬉しいものとか。2が、完全に私の好みと、何よコレ!と笑ってしまうもの。それが、いい具合に交わってるものを選びます。たまに7:3になることもあるんですけど(笑)。
——8:2! 絶妙なバランスですね。
私自身、プレゼントをもらう時とか、お店を教えてもらう時とか、「知らなかったけど、めっちゃ好み!」っていうのを知れた時ってすごい嬉しいので、ギフト選びもそんなことを意識しながら選んでいます。好きそうだから、もしかしたら持ってるかもしれないけど、コレはまだ知らなさそう。。というところを攻めて、うまくいった時は、よしっ!ってなります。失敗もたくさんしますが、気持ちだからそれでいいんです(笑)。
基本は相手の好きなものを探すけど、その中で「自分の家にあってもいいなと思えるもの」という感じで選んでますね。
——この記事が4月公開なので聞きたいのですが、たとえば新生活や引っ越しのお祝いだと、どんなものを贈りますか?
これまであげたことがあるのは、コーヒーメーカーとかマグ、あとは時計とかスリッパとか…やっぱりインテリアや家電が多かったです。そういうものをさっき話した、8:2の感覚で選ぶっていう。
たとえば普通のスリッパじゃなくて、一枚の革でできたトートーニーさんのスリッパ、みたいな。あとは田原俊彦さんがプリントされたレトロな長いカンカンのゴミ箱とか(笑)。
——(笑)。なるほど、「デザインは尖ってるけど、スリッパとかゴミ箱とか何個あってもあまり困らないモノ」を選ぶっていうバランス感、さすがです!
↑ KONKO店内にも、ひとクセあるアイテムがズラリと並んでいます
友だちの持ち物から「こんなインテリア好きなんやろな~」を想像する
——インテリアを贈るのって「相手の家に馴染むかな」とか考えてしまって、けっこうハードルが高いんですが…そのあたり、矢野さんはどう考えてますか?
「この人、こんなん好きなんやろな~」ってのを、めっちゃ想像します。メガネとか服とかお財布とか、小物類にこそ、その人の隠しきれない好みが出ていると思います。なので普段から友だちの持ってるものを、見るともなく見ています(笑)。昔からそうやってますね。
たとえば、トートーニーさんのお財布を持っている方だったら…シンプルだけど、差し色の入ってるものが好きなのかな?空気感があるものが好きなのかな?と思います。そういう人には、ふにゃっとしたファンシーなものより、ちょっとシュッとした建築的なインテリアをあげたりします。 ↑ KONKOのカウンター下に並べられていたトートーニーさんのお財布。不思議な形と、革とゴム紐のカラーリングがユニーク!
——想像の解像度がかなり高いですね!
たまに、どんなテイストが好きなのかが読めない人もいるんですよ。そういう人はすごい無機質なものが好きなんやろなって思って、クセのないシンプルなものをあげるようにしてます。
「町の文房具屋さん」みたいな雑貨屋さんが理想
——KONKOは、お店としてのコンセプトを決めていたりするんでしょうか?
理想は「町の雑貨屋さん」。町の文房具屋さんとか、馴染みすぎるくらいその町に馴染んでて、インスタで告知とかしなくてもお客さんがいるし、粛々と続いている。みたいなお店あるじゃないですか。ああいう渋さがほしいですね。
…でも、こういうの(取材時に開催中だった『おふとんネコ展』)もちょこちょこやっていきたいので、そういうのは渋さとはちょっと違うのかな…? そこらへんのちょうどいい中間というか、自分なりの形でできたらいいなと思ってます。
——ポップでかわいいものが集まったお店という印象なので、「渋さがほしい」というのは少し意外でした!
はい、かわいいのも好きだし、渋いのも昔から好きなんです。金物屋さんとか見かけるとつい入っちゃいますね。KONKOでも、お店入って左手前のエリアはそういうこまごました日用品をギュッと並べていて。
——どういう基準でセレクトされてるんでしょうか?
たとえば木べらは、わたしが今まで使ってきた木べらの中で一番良かったもの。木べらにしては薄くて、サイズ感もよくてほんと使いやすい。木べら大賞をあげたい! 白いお皿はイタリアの業務用の食器で、重ねられて、ほどよく重くて安定感があります。なにより丈夫。毎日ガシガシ使えます。
そういうのを、レンゲとかボウルとか、それぞれのジャンルでの「これ!」というのを置いていて。どんな人たちでも必ず日常的に使うじゃないですか、こういう日用品は。そういうラインのものを並べられたらいいなと思ってます。
——ひとつひとつ、矢野さんお墨付きの一品たちが集まってるんですね! そして、この右隣の棚にある商品たちは…
棚の右側と有効ボードの商品は、一点ものとか作家さんがつくってるものですね。町工場のおっちゃんが一所懸命作ってるハートのケンザンとか、SIRAMIMONOさんのコースター、SPONGE BOOK STOREさんの本袋に、41世紀さんのキャットハウスやリュックとか。流行ってるからじゃなくて、お店を開く前から私がずーっと好きな作家さんたち。お店を開いてやっと声をかけられた!っていう人たちばっかです。
——見たことないアイテムばかりで、ほんとに全部がキュンとする可愛さです! そもそも、2年前の2023年4月にKONKOをオープンされたのは、どういうきっかけ/タイミングだったんでしょうか?
高知にいる時は、雑貨屋で働いた後、フリーランスのデザイナーとして仕事をしていたんですけど、2019年に結婚を機に東京へ来たんです。そして子どもを産んでから、デザインの仕事をまた再開して。場所や働き方が変わったので、どうしようかな〜と思っていた時に、この物件がポンと空いて。不動産屋を営む主人に「ここで何かする?」と言われたのがきっかけでした。
このお店をきっかけにデザインの仕事も来たらいいかな〜なんて、なんとなく思っていましたが、実際にお店を知ってからデザインを依頼してくださった方もいて、その商品をお店に置かせてもらったりもして。うれしいご縁です。 ↑ 矢野さんがデザインしたパッケージやグッズたち。イラストもかわいい…!
——最近は「おふとんネコ」の展示や「Jurassic Nasu」のワークショップなど、イベントも頻繁にやられてますね。
はい、去年からお声がけしていたものが形になっていて。そういうことも、長い目で見てずっとやっていきたいです。
次は5月に、韓国とか台湾のキッチュな雑貨を取り扱っている、神戸のお店のポップアップをやりたいなと思ってます!
——わ、それもとても楽しみです!
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KONKOで選ぶ、おすすめギフト
ポップなデザインやカラーにワクワク心が躍る、KONKOの商品たち。贈りものとして特におすすめの3つを、矢野さんに選んでいただきました!
①老若男女がうれしい入浴剤
「『健康家族』という屋号で、おひとりでやられている方が、生薬をブレンドして作っている入浴剤です。湯舟につかっていると、体がポカポカしてくる感じがあります。もらってイヤな人はいないと思います!」
②ゴルフ好きの人にはこのセット
「マグカップの底に穴が空いてて、これでパターの練習ができます(笑)。ゴルフクラブはなんとペンなんです。ぜひセットで、ゴルフ好きの人に。」
③“すべての働く人”へおすすめのレッグ&アームバンド
「わたし、すごいこれを推してて! レッグバンドなんですけど、ちょっと水回りのことするときとかに腕にもつけられて、便利なんです。自転車乗る人、絵描く人、飲食店、お花屋さん…男性・女性選ばないし、すべての働く人におすすめです。」
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矢野さん、ありがとうございました!
みなさんもぜひ、春のギフトを探しにKONKOへ訪れてみてくださいね🌸
矢野望(Nozomi Yano)2011年よりフリーランスでグラフィックデザイナーとして活動。2019年東京へ移り、2023年KONKOオープン。
KONKO
OPEN:木・金・土曜日
営業時間:13:00-18:00(変更あり)
東京都杉並区和泉3-15-6
Instagram @konko_3156
オンラインストア https://konko-online.stores.jp
Photo/案納真里江(@anno_photo)
Text/dōzo編集部